2010年11月02日

サンタクロースの椅子


Quand la femme tient la barre de sa vie−猫沢エミライブ&トーク@TRAUMARIS
2010年11月7日(日)東京・恵比寿
おかげさまを持ちまして、チケットは完売しました!ありがとうございます。
       →http://necozawa.seesaa.net/article/166163561.html

 急告・TRAUMARISサイトのライブ告知部分で、当日のライブ開始時間が20時、
 となっておりましたが、こちらは誤りです。訂正してお詫び申し上げます。
 18:30開場、19:00スタートです!



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まずは、毎日が超高速回転で過ぎてゆく、ここ数日の近況から。

Oが急な海外出張のため、台風を心配しながら旅立つ。そして、昨日は3時間睡眠の後に朝から打ち合わせで都内を駆け巡り、第20回ドゥ・マゴ文学賞の授賞式へ出席。今年は審査員の堀江敏幸さん選考による朝吹真理子さんの`流跡´が受賞。数年前、この授賞式に呼んでくださったことがきっかけで、仲良しとなった選考委員会の藤江さんの司会進行の勇姿を、まるで父兄参観日の母のような気持ちで見守る。同じく呼ばれたスノッブ・ミウラくんと、カフェ・ドゥ・マゴのおいしいお料理を食い散らかし、昨年のBunkamura`文学カフェ´イヴェントでお世話になった堀江さんにも久方ぶりにご挨拶できた。その後、ミウラくんと共に、バー・ミュージックでおいしいコーヒーリキュールを呑みながら、思わず深い人生談義後、よろよろと家に帰り、力尽きるまで仕事後、泥のように眠る。

ところで先日、ジョンブルのプレス、上田さんと呑んだとき、感慨深い話をした。

私は大学の頃、音楽心理療法学という講座をとっていたのだけど、あるとき、児童文学の金字塔`エルマーの冒険´(ルース・スタイルス・ガネット著)のすばらしい日本語訳をされた渡辺茂男さんがゲスト講師として招かれ、講演をされた。タイトルは`サンタクロースの椅子´という感じのものだった。(ごめん、うろ覚え)

渡辺さんは言われた。「子供の頃にサンタクロースとか、ドラゴンとか、いるはずのない架空の生き物を心底いる、と信じることが人間には必要なんです。その数が多ければ多いほど、子供の心の中に、椅子ができる。大人になってゆくと、なあんだ、サンタクロースなんかいないじゃん。と、そこに座っていた架空の生き物たちは消えてしまいます。でも、それまでその椅子を温めてくれたサンタクロースのお陰で、人は、大人になって愛を知った時、今度は本当に大事な人をそこに座らせることができる。」

それを聞いた当時、私は未熟な大学生だったけれども、泣けてしょうがなかったのを覚えている。今でもこの話をすると、涙が溢れてしまう。多分、一生消えることのない、素晴らしい考え方を渡辺さんに頂いたように思う。という話を上田さんとなぜしたのかといえば、人間、誰かと別れたり、ひとりになると妙に寂しくなり、この椅子に適当な人を座らせてしまいがちだ、ということからだった。この椅子に、その価値に見合わない適当な人を長く座らせてしまうと、椅子の輝きはどんどん落ちてしまう。最後には朽ち果てて、大事な椅子は消えてしまうのだと私は思う。そこに座るのは、人でない場合もあるだろう。自分の仕事や、自分の哲学だったり、良く生きようとする志かもしれない。だから、孤独であることをマイナスに思ってはいけない。誰も座る人のいないときこそ、その椅子を丁寧に磨き、読んだ素晴らしい本を置いたり、映画を置く事もできる。あるいは音楽や絵でもいい。そうして、椅子ときちんと向き合った末に、それに見合う大事な人がやってきて、心地よく座るのではないかと。

私の場合、椅子の数が多すぎて、有象無象の大事なものが座っている気がしますが。(笑)
久しぶりに、渡辺さんの言葉を思い出して、ほったらかしになっている椅子を、もっとちゃんと磨こうと思った次第なのでした。


Photo. 載せようか載せまいか迷ったのだけど。笑
    ドゥ・マゴ賞授賞式は、この日貸衣装に蝶ネクタイ姿で
    現れたスノッブ・ミウラくんの奥ーの方でちっちゃく
    光っているところで行われています。



   




posted by 猫沢エミ at 00:00| パリ ☁| なんてことない日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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