2011年03月13日

日本が揺れた日〜東日本大地震 三日目

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ゆうべ、朝方に寝付いて5時間ほど眠ることができた。ひっきりなしに続く余震で地震酔いがひどい。少しでも下を向くと、ぐるんと目眩がして倒れそうになる。人間の体はよくも悪くも慣れが速いのだなあと思う。揺れる、ということが日常化すると、それを覚えてしまって体勢を作ってしまうのだなあ。

ところで、昨日は本当ならば、渋谷リエゾンでのライブ当日だった。地震発生日の夜には、事態が深刻なのを感じて、取りやめにすることを各所に連絡した。とても残念だったけれど、この判断は正しかったと思う。しかしこの先、どう状況が展開するのかまだまだ不透明だけれども、音楽は絶対に必要になってくるだろう。それも生のものが。私にも、みんなにも。


やっと眠れたことで、気力が少し戻り、キッチンの片付けをどしどしやる。落下したデロンギのオーブンは、プラスチック製の足台が割れてしまった。全体的に歪んでガラスのドアも閉めづらくなってしまったけれど、電源を入れてみたら無事だったので、中の配線は生きているみたい。さすが、シンプルな作りのものは強い。めちゃくちゃなリビングも一気に片付けたかったけれど、棚に積んで、また大きな揺れがきて落下すると危ないので、しばらく物を床に低く積んでおくことにした。ばたばた片付けていたら、マンション内にコールが響いてガスが復旧したとのこと。やった!お風呂に入れる。その前にお湯を湧かして熱いお茶を淹れてふうふう呑んだ。

キッチンが復旧して、なんとなく家にほのかな落ち着きが生まれた夕方、渋谷方面にある事務所の様子を見に行くというOに付き合って、駅まで出てみることにした。出かける気分じゃぜんぜんなかったのだけど、TVを見て、刻々となだれこんでくる情報に押しつぶされそうだったので、出てみることにした。街は節電モード一色で暗かったが、そもそも今までの東京の夜は、不自然なほど明るすぎたのだ。ソフィア・コッポラの`ロスト・イン・トランスレーション´がフランスで公開されたとき、仏人の友達に散々質問攻めにあったのを思い出す。「ねえ!映画に出てくる東京の夜の街は、映画のためのセットなのよね?あんなにたくさんネオンがついて一晩中明るいなんて、そんなのあり得ないわよね?!」…今思えば、あってはいけなかったのかもしれない。その、夢のような世界を作り出すために、故郷・福島にはいつの間にか原発が作られ、危険にさらされるようになったのだから。

日曜日なのに、ドコモショップが開いていた。そういえば、バッテリーが古くなって持たなくなっていたなと思い、緊急時のことも考えて、バッテリー交換に立ち寄った。ついでに、料金プランの確認をしてみたら、なんと私の携帯は、パケ放題に入っていないことが判明し、通信料があほみたいに請求されていたので、慌ててパケ放題に入った。あ、危なかった…街へ出てみてほんと、よかった。

Oと別れて、駅前の本屋さんへ。`きょうの猫村さん´5巻が出ていたので、今一番必要な書だわ!と即買い。それと、小川洋子さんの`人質の朗読会´を買い求める。本がたまらなく読みたかった。しかも、ただれた心はデリケートに、読める本と読めない本を選別してしまう時期だった。だから、なんでもいいというわけにはいかない。小川さんの本は、切ない設定の物語だったけれど、今まさに読むべきもの、という気がした。現状からかけ離れた馬鹿明るいものは、とても読む気にはなれない。これは、哀しみの中で、そっとうずくまるようなほの暗さに心惹かれたのだ。

駅前のマツキヨ、もっと離れた薬局を覗くもトイレットペーパー、ティッシュペーパーなし。

夜、実家に電話を書け続けてくれた友達が、実家と繫がって家族の無事を確認とのメール。よかった…!「お母さん、なんかすごいハイテンションだった!」あはは…あの人らしいや。殺しても死なない一家だとは思っていたけれど、今回ばかりは心底心配した。夜半に、母と地震後初めて携帯メールで直接やり取りできた。断水して、お寺の井戸水を汲んでしのいでいるとか。被災しているのに、こちらの心配ばかりしている母に感涙。

少し気をとりなおして、真夜中、仕事。しかし疲れてくると、目眩がひどくて吐きそうになる。パリのMac-graffitiメンバーからも、安否確認のスカイプやメールが来るも、長い時間、キーボードを打つことができない。まるで車の中で携帯メールしているみたいだ。Merci c’est gentil. mais je peux plus continuer...

夜中3時近くになってベッドに入る。今夜は猫村さんを読んで、すこし糸がほぐれるはず。



Photo1. 看板などの消灯はもう、すでに始まっている。
    暗くてわかりづらいですが、こちら、駅前のマツキヨです。

   2.胸がすくほど、紙類がのきなみありません。
     この地区一帯の人たちは皆、花粉症&下痢なのだろうか。。。











posted by 猫沢エミ at 00:00| パリ ☁| 東日本大地震 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする