2014年07月22日

最新刊『東京下町時間』に寄せて


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ツイッターやFacebookなどでのお知らせが先になってしまいましたが、最新刊『東京下町時間』が、7月10日発売になりました。ブログでのお知らせが遅くなってしまって、ごめんなさい。


猫沢=パリの本、と思われていた方には「あれ?! いきなり下町の本?」という印象を持たれたかもしれないけれど、東京下町についての本を出すというアイディアは、ずっと温めていたものだった。ピエブックスの編集者・長谷川卓美さんと最初に打ち合せをしたのは、この本の巻頭に登場する人形町の老舗喫茶店“喫茶去・快生軒”。赤い革張りの椅子に腰掛けた私は、長谷川さんへ自分が伝えたい下町の魅力について、とうとうと語った。

すでに本を読まれた方にはおわかりかもしれないが、この本は少し“外国人視点”が含まれていると思う。というのも、私が日本文化と東京下町の文化に目覚めたのは、パリへ渡り、生まれて初めて日本人である自分のアイデンティティを意識したから。まるで、日本に憧れていた外国人が、日本家屋に住み、着物で暮らすような愛で方を自分の中に再発見したとき、母国を離れたからこそ見えた、守るべき古き良きものが形になって現れたのではないかと思う。


ここで紹介しているお店のほとんどが、普段、仕事とはまったく関係なく私が通い詰めているお店ばかりで、なぜそのお店を選んだのか?を探ってみれば、そこには時代に流されることのないはっきりした指針がある、という共通点が見てとれる。客と主人が、お金を介してモノや食べ物をやりとりする“店”。しかし、本当にやりとりするのは、モノに宿るエスプリと歴史、空間や時間など目には見えない大切なものだと私は思う。その素晴らしさを、ぜひ皆さんに知って頂けたらという気持ちで、丁寧な取材と執筆を経て、この本は生まれた。

良いお店が載っている、普通の下町ガイドブックとして使って頂けるなら、もちろん嬉しい。けれど、そこにあるエスプリを理解する一段上の粋なお客さんとしてお店を訪ねてくださったなら、私はこの本を書いて本当によかったなと思う。


これまで下町をテーマにした本は、男性向けのものが多かった印象だけれど、今回は女性にも興味を持って頂けるよう、心がけました。どうぞ、東京下町の魅力を、生活の一部に取り入れて頂けたら。そして、お金やモノといった即物的なものを超えたところにある、“人と人のやりとりの煌めき”を感じて頂けたら嬉しいです。


『東京下町時間』-猫沢エミ 
  パイ インターナショナル+PIE BOOKS刊 定価(¥1,600+税)
  ISBN:978-4-7562-4529-8 C0070
 《購入・詳細》
 http://pie.co.jp/search/detail.php?ID=4529




  







posted by 猫沢エミ at 12:24| パリ | アノンス最新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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