Quand la femme tient la barre de sa vie−猫沢エミライブ&トーク@TRAUMARIS
ご予約開始は、10月20日(水)お昼の12:00 から! →
http://necozawa.seesaa.net/article/166163561.html毎日、言いたい事が多すぎて、そっちばっかりブログに長々と書く時間を費やすくせに、肝心な自分の活動や、もっとつっこんだプロフィールとかディスコグラフィーに至っては、何年も原稿のままぜんぜんアップできないでいたり、ほんとに自分プロモーションが下手くそな私です。そんなわけで`最近の´なんて書いちゃってますけど、発売して結構経ってしまっているものも含めて、ここ数ヶ月の猫沢掲載誌をご紹介〜。とかいいつつも、掲載誌のことについては、下記のPhotos解説をご覧くださーい、なんてはしょっちゃって、いろいろ考えたりすることを書いちゃうんだなこれが。だって、そっちの方が性に合ってるんだもん。
26歳で、いわゆる世間で言うところの女性アーティストとしてデビューした私だが、目力があるだとか、顔が面白いなどありがたいことを言われ、様々な雑誌のモデルやら被写体として使って頂いてこの歳まできた。しかし、子供のころの自分に、そんな未来が待っているなどどうすれば思えただろう。ちび時代の家族間での私のあだなは`いかりや長介´もしくは`研ナオコ´…。逆立ちしたって「わあ!うれしい。」とは言いがたい、非常に個性的な面々である。いかりやの由来は、ある事件が元になっている。ちびっこだった私は、椅子を使って冷凍庫の奥のアイスバーを必死に取ろうとしていたらしいのだが、冷凍庫内の棚にたまった霜に下唇がくっいてしまい、「だめだこりゃ!」ともがいていたら、奇天烈人として生前名を馳せた祖父(彼のネタは山ほどあるので、また今度。)が、あわててやかんのお湯を唇にかけたため、私の下唇はいかりや長介ばりに伸びてしまった…という伝説がまことしやかに伝えられている。ちなみに私自身にはそんな記憶、一切ない。研ナオコに至っては、ちびっこ時代の私があまりにもがりがりに痩せていて、目ばかりがぎらぎらと光る、アフリカの難民キャンプの子供みたいだったから、という単純な理由である。どちらにせよ、ピュアな少女の心に「自分はどうもイケてないようだ。」と思い込ませるには十分な威力があった。
家の外に一歩出ると、そこでのあだなは`カマキリ´だった。小学校2年生の頃だったかと思う。クラスの悪ガキに限らず、同学年の男子たちがこぞってあまりにも`カマキリ´と言うものだから、私は一発芝居を打った。泣きながら(のフリをして)学校から走り帰って膝を抱えてみたのだ。これは、あくまでも芝居だった。すでに家で長介だの研ナオコと言われている私が、カマキリぐらいで心底傷つくわけがない。ところが私が想像した以上に、このことは重く取り扱われてしまった。次の週の月曜日。校庭に全校生徒が集まる朝礼で、校長先生がいきなり私を呼び、壇上に上げた。「えー、先週2年生の某クラスで猫沢さんのことを`カマキリ´と呼び、彼女が傷ついて学校から帰ってしまう事件が発生しました。これからは、絶対に猫沢さんのことを`カマキリ´と呼ばないように。いいですね!」…校長先生、ありがとう。でも、たぶん逆効果です、これ。その予想はあたり、その日から2年生だけにおよばず、1年生から6年生までの学校中の男子生徒に(ウラでは、女子生徒までにも)すっかり`カマキリ´が定着してしまった。そうだ、大人たちは子供がどんなに陰惨な生き物が知らないのだ!とは思ったが、やはり私は、さほど気にしていなかった。
`カマキリ´は、私の代名詞となり、さらなる進化を遂げた。がに股のくせにものすごく足の早かった私を見たある男子が、「猫沢、ダチョウみてえ!今日からダチョウカマキリだ!」と、あらたなるムーブメントを起こしやがった。それがいつのまにか、より言い易い`ダッチョカマキリ´へと変化した。ダッチョってなに?脱腸かしら?もう、本人とはまるで関係のない域まで達してしまった…私の手を離れて空高く飛翔してゆく、あだな。アデュー、勝手にみんなが作り出した自分。という具合に、もしかしたら、この頃培われた`人が勝手に想像した自分´と`本当の自分´を切り離す修行が、一応イメージ商売の現在に、とても役立っている気がしなくもない。(ただし、こじつけかもしれない)
と、ここまで読んで、「どこがサブタイトルの`モデルのはなし´なの?」と思われたろう。ははは、私も思った。まあ、言いたかったことはですね、そんな幼少時代だったもので、自分がいい意味で個性的な顔つきをしているだとかそんなポジティブなことはひとっつも思えなかったんですよ、パリに行くまでは。ところが、いい歳になってパリに住んでみたら、これが意外ともてる。(黒人、アラブ人、物好きな白人に限りですが)そして「私なんかダメダメ。」というようなことを言うと、本気で怒られる。「人にはそれぞれの美しさがあって、キミが言う自分の欠点`手足が短い´`ちびだ´も、キミの美しさのひとつじゃないか!」と。だって、パリジェンヌは手足が長くてみんなかわいいじゃないの、なんてつまらん返答をしようものならば「あんなのは、手と足が長い!以上。ってなだけで、だからきれいだとかそんなのとは、あまり関係がないんだよ。内面を伴う魅力に、キミの小ささが加わって、初めてキミだけの光が出るんだ。」じーん…いいこと言うなあ、フランス男。さすが天性の恋愛人種たち。(まあ、半分口説きが入ってるので、かなり水増しサーヴィスですけどね。)てゆうか、もっとそれ、私の人生の早い段階で言って欲しかったなあ。アデューいかりや長介、アデュー研ナオコ、そしてアデューダッチョカマキリ。
そんなわけで、被写体になるにはかなりぎりぎりの難しい年齢になった今、本当に若くて細胞が輝いていた頃よりも、私はたぶん、いい顔でカメラの前に立つことができるようになった。若い頃に、自己評価をきちんと持てていたならば、猫沢尻エミカになれたのだろうか?(それはいくらなんでも無理だろう)でも、案外、通ってきた道はこれでよかったのかも、とも思う。歳を重ねた今、内面の自分と外見の自分がぴったり一致する気持ちよさを感じることができているのなら、それは、自分にとって一番正しい歳の取り方をしているってことなんだろうからね。
Photo1. 最近の掲載誌をご紹介。(左から)
CAR GRAPHIC/595 2010年10月号(カーグラフィック刊)
特集・立ち止まらないプジョー
* プジョー特集で、愛車モビレット`VOGUE SP´について
1Pに渡り、出てます。(P.71)
天然生活/VOL.69 2010年10月号(地球丸)
特集・大人の定番服
* `私の一歩を探す、ジーンズ試着座談会´コーナーにて
出てます。(P.48)
ニームと過ごす毎日2/e-book (宝島社)
NÎMES 2010 AUTUMN/WINTER COLLECTION
* フレンチブランドのニームの、秋冬コレクション
ブックにて`私らしく着こなすNÎMESのボーダー´コーナー
に、出てます。(P.12)
さらにこちら、大型のキャンバスショルダーバッグがおまけに
ついてます!
Photo2. で!こちらがニームさんのおまけのバッグ。裏地がボーダーで
かわいい。しかもナイロンなので、少々の水物もへっちゃら。
大きさがわかるように手前にワインを置いてみたけれど、
かなり大容量のバッグ。私はもっぱら、大好きな成城石井さんへの
買い出し時などに持って行き、ここにワインやらチーズやらバゲットを
ふんだんに入れて運んでます。かなり、パリのマルシェ感覚が
味わえてよい。(本当に使い込んでて、もうすでに味わいが出て
きちゃってますが…)
posted by 猫沢エミ at 00:00| パリ ☀|
アノンス最新情報
|

|