7月22日(金)朝7時15分よりJ-WAVEのジョン・カビラさんの番組にて「Graffiti for Japan」の活動状況が生放送されます!(東京、神奈川、千葉、埼玉のみ) インターネットラジオでもお聴きになれます!http://www.j-wave.co.jp/
Enchanté!SARAVAH Tokyo −猫沢エミライブ@サラヴァ東京 2011 年7月30日(土)1年半ぶりのフルバンド編成ライブです。ご予約受付中♡
7月7日。すったもんだのあげく、七夕の日に予定より1週間遅れで帰国が叶った。というのも、実は震災の影響が色濃い。まさか、こんなところで震災の余波があるとは夢にも思わなかったのだが、ボンズール・ジャポンのスポンサーであるエール・フランスが、震災後、日本行きの乗客減を見越して機体を従来就航しているものよりも小さなサイズに変更したため、予想外の大混雑となってしまった。(現在では解消されているので、ご心配なく!)私個人だけの問題ならばいざ知らず、結局TRAUMARISでのライブは延期となり、他各所にもずいぶんとご迷惑をかけてしまった。帰国に関しては、フランス側から出来る事はすべてトライしてみて、それでも最速が1週間遅れという結果だったから、致し方なく私は頭を下げて回るしかなかった…とまあ、このあたりのことと、パリの後半での出来事は、今目の前にある怒濤の締め切り&玄界灘を越えてからゆっくりリポートしますので、しばしお待ちくださいね!
そんなわけで、今日は私が所属するパリのグラフィティーチームMac-graiffitiが毎年開いている大規模な国際エクスポジションKOSMOPOLITEのプログラムの中に組んだ日本復興支援イヴェント`Graffiti for Japan´の活動について、何度かに分けてリポートしたい。
3月11日の震災直後、誰よりも早く私の安否心配して連絡をくれたのが、Mac-graiffitiとパリの友人たちだった。「頼むから、生きているかどうかだけでも返事をくれ。」パリだけでなく、世界各所に居を移してアーティスト活動をしているメンバーからは、毎日のように真摯なメールが届いた。その後、連日の余震が続く中、私はひとつの要望をMac-graiffitiの主要メンバーに出したのだった。「日本のために、何かメッセージが欲しい。壁画でもいいし、キャンバス画でもいい。とにかく力となるような作品をパリで制作してはもらえまいか?」と。それからしばらくして、パリでモード関係の仕事を営む親友、杉本佳子とMac-graiffitiの主要メンバーが、今年KOSMOPOLITEのプログラム内で日本復興支援イヴェント`Graffiti for Japan´を立ち上げたという知らせをもらった。
彼らが考えた支援プログラムは、今年のKOSMOPOLITEに参加予定の世界各所の招待アーティストと、Mac-graiffitiとつながりの深い世界を代表する有名グラフィティーアーティストたちに、ひとり1枚キャンバス画を制作してもらい、それを売り、売り上げのすべてを日本赤十字に寄付するというものだった。(参加アーティストはSPEEDY GRAPHITO /TILT/T-KID170他多数)ちなみに、ストリートアートに分類されるグラフィティーアートは、海外ではすでに広い市民権を得て、この分野でのコレクターも数多く存在する。普段、グラフティーアーティストの作品に興味を示すのは、こうしたコレクターが中心となるわけだが、私たちが望んだことは、グラフィティーという限られたイメージの門戸をもっと広げて、ポップアートや現代アートにも興味のある人たちや、アート全般に興味のある一般の人たちへアプローチすることだった。そこで、佳子の関わるモード業界の人々を中心に、普段あまりグラフィティーと接触のない人々を招くためのチャリティーイヴェントを企画した。それが、6月22日(水)バニョレのLa Fonderie de l’imageで開かれた、ライブや日本食の立食パーティーを兼ねたキャンバス画を販売するためのソワレだった。
しかし、この準備は過酷を極めた。まず、無料提供してくれる会場探しからして難しい。最終的にMac-graiffitiと以前からつながりのあったLa Fonderie de l’imageが受けてくれたわけなのだけど、このネゴシエーションを含む様々な企画準備を佳子と、Mac-graiffitiおよびKOSMOPOLITEの現リーダーLAZOOが進めてくれた。この準備前段階の頃、私はまだ日本にいて、彼らと連絡を取りながら、日本でできることを進めていた。東京という遠隔の地で、私ができることは限られていたのだが。その中のひとつが、このソワレに人を呼ぶためのプログラムとダイレクトメールに使用できる被災地写真を借り受けることだった。
当初、具体的な被災地の写真を載せるというアイディアは私たちにはなかったのだが、遠く離れた、しかも地震が基本的にないフランスの人々に、ありのままの現状を訴えかけるために、写真が必要なのではないか?とメンバーは思い立った。そこで、フォトグラファーの友人、知り合いの多い私が動いた。そもそも、震災直後の被災地に入って撮影をしていたのは、新聞社や雑誌社のジャーナリスト系フォトグラファーがほとんどだったと思う。この場合、写真の所有権は各出版社のものになるだろうから、理由は何にせよ、借り受けることは非常に難しい。当初、週刊誌の編集部にいる友人に相談しようかと考えたが、これは難しいとすぐさま判断し、個人的なフォトグラファーの友人に相談し、紹介してくれたのが、今回、100点以上の写真を無料で貸すことを快諾してくださった、フォトグラファーのHARUKIさんだった。
Copyright:HARUKI-Self portrait 被災地にて
彼は、震災2週間後という非常に混乱を極めた最中、自費で被災地を周り、一万点もの貴重な写真をカメラに収めた。HARUKIさんは言った。「友人のフォトグラファーとふたりで巡っていたのだけど、車の中では馬鹿なことばっかり言ってたよ。そうしないと、気が狂いそうだったんだ。」HARUKIさんの写真は、ジャーナリスト系フォトグラファーの撮る写真とはあきらかに趣の違うものだった。破壊されつくした風景が、されつくした後にあたかも再構築された新しい世界のような、哀しみと美しさに満ちていた。こんなにも胸を打つ写真を私は見たことがないと思った。
Copyright:HARUKI-宮城県女川町
写真を見たメンバーも同じ感想だった。しかし、HARUKIさんと1万点もの写真から、使う写真を選ぶのは苦しかった。精神的な打撃が大きく、私たちはたびたび休憩を取り、酒を呑んだ。でないと、続けられなかったのだ。ぎりぎりのスケジュールにも関わらず、こちらの都合に最後まで付き合ってくださったHARUKIさんの大切な写真データを持って、私はパリに飛んだ。その写真たちは、最終的に、このソワレでプロジェクション上映と義援金募金のためのポストカードという形になって意味深い貢献をもたらした。
Copyright:HARUKI/Photos:Mika Inoué
そして、このソワレで私はライブをした。この日の10日前に、また別の日本復興支援アソシエイション`HOPE AND LOVE FOR JAPAN´主催のライブに、TAHITI80などと共に出演していたのだが(この模様も、また後日リポートします!)このときメンバー探しから本番まで1週間という前人未到のバンド作りをしていて、そのときのバンドメンバーが今回も中心となってライブをすることができた。ちなみに、どの国のどの復興支援活動でもかならず直面することだと思うが、こうした活動はほとんどがボランティアで、それに携わる人によほど時間とお金に余裕がないと、特に体力的に厳しくなる。私ひとりをとってみても、普段からびしびしの状況の中、それでも時間を絞り出してこうした活動をしているから、その現状は痛いほどよくわかる。それでもやらねばならぬ。
私の場合、立ち上げたメンバーなのだからそんな状況は当たり前なのだが、今回も参加ミュージシャンにノーギャラで参加してもらうことを承諾してもらったものの、やはり彼らもごはんを食べて行かねばならぬ身だし、ミュージシャンに留まらず、関わった人すべてが自分自身にごはんを食べさせながら、個人の人生を構築させながら、活動するのである。それが、人を助けるという現場なのだとひしひしと感じる。だからこそ、この活動に賛同してくれた人たちには深い感謝の気持ちに絶えない。もちろん、仲間たちにも。
Photos:Mika Inoué
Photos:Mika Inouéーアコーディオニストの田ノ岡三郎くんも日本から駆けつけて参加してくれました!感謝♡
Photos:Mika Inouéーアルトサックスはパリ在住ミュージシャン・仲野麻紀さん
Photos:Mika Inouéーギターは、パリ在住ブラジル人ミュージシャン・ラメック
Photos:Mika Inouéー今回、メンバー集めなど多大な協力をしてくれた、ドラマーのアドリアン
Photos:Mika Inouéーベーシストは、Mac-graffiti創立メンバーで、元プロのミュージシャンでもあるラグタイム
巨額の寄付は私には出来ない。けれど、気持ちと併せて故郷・福島と東北の人たちにわずかばかりでも力とお金を送りたいのである。`Graffiti for Japan´の活動はまだまだ続く。アーティストたちから託されたキャンバス画を、引き続きより良い形で売り、義援金を集めるために。簡単なことではないけれど、それでも私たちは続けてゆく。積載する日々の個人的な様々な悩みを抱えながら、自分の人生と平行して、今もなお、絶望と戦い続ける北の人々へ、エールを送り続ける。震災直後のショック状態から立ち直ってゆく日本、そして諸外国の、この未曾有の悲劇に対する見方がじょじょに変わって行くことを誰も止めることはできないだろう。それは、未来に向って歩き始めた日本の兆しでもあると同時に、関心が薄れてゆく側面をも合わせ持つ。特に、フランスをはじめとする諸外国の関心の薄れ方は、問題のどまんなかにいる日本とは比べものにならないほどスピードを増している。だからこそ、やらねばならぬ。`Graffiti for Japan´に携わる佳子や私のように、日本人でありながら、海外で直接の活動ができる人は限られている。その限られた人しかできないことが、きっとあると、私たちは信じている。
Photos:Mika Inouéー杉本佳子と、メディア広報担当のヴァネッサ。後ろにあるのが、アーティストたちによるチャリティー・キャンバス作品
Photos:Mika Inouéー会場の設営には、アーティスト自らも多く参加してくれた。
Photos:Mika Inouéーソワレの様子
Photos:Mika Inouéーソワレで振る舞われた日本食は、パリ在住料理家の矢口美奈子さんによるもの。
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HARUKI-HP
http://www.harukiphoto.com/
* 今回写真を提供してくださったフォトグラファー、HARUKIさんのサイト。
KOSMOPOLITE2011-Graffiti for Japan
Kosmo 1
http://www.youtube.com/watch?v=Zugb7cxTAks&feature=related
Kosmo2
http://www.youtube.com/watch?v=woXQ-8kwfmU&feature=related
* KOSMOPOLITE2011-Graffiti for Japan共に参加してくれた、ブラジル人
グラフィティーライターBinho作成の会期中のビデオ映像!
OAOFB-Graffiti for Japan
http://www.oaofb.com/en
* フランスのビジュアル制作会社、OAOFB制作によるGraffiti for Japanの
ルポルタージュビデオ映像。杉本佳子、LAZOOのインタヴュー映像が含まれています。
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