2014年07月24日

《 にゃんこ先生(猫沢エミ)の実践フランス語教室 》生徒募集♡【改訂版】


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7月28日(月)12:30から開始しました応募は、予想以上の大幅な定員超えでのお申し込みがありましたので、締め切りを終了しました。まだまだ手探りの状況ですので、万が一週末の【星男クラス】が大幅の定員オーバーの場合、土曜日の【シトロンクラス】を併設する可能性もあります。今後もこちらのページで、新しい情報をUPしてゆきますので引き続きご覧ください。なお、お申し込み頂きました方へは個別メールにてお返事差し上げます。現在、クラス分けの調整などに少々時間がかかっていますので、ご返信までに2〜5日ほどお時間頂きます。ドキドキしながらお待たせするのは申し訳ありませんが、ご理解頂ければと思います。たくさんのお申し込み、ありがとうございました!


『フランス語を学んでみたいけれど、どこから手をつけたらいいかわからない。』『本格的というよりも、ひとりでパリ旅行へ行って困らない実践フランス語を学んでみたい』あなた、お待たせしました!フランス語学習初期に苦労した、にゃんこ先生(猫沢エミ)だから教えられる【日本語的な考え方のクセゆえに、フランス語が頭に入らない】みなさんに、ぜひ受けて頂きたい授業を展開します。まずは、フランス語っていったいどんなもの?フランス語が頭に入ってくるための、【頭の中にフランス語を置く棚を作る】授業。そして、とにかく旅へ出て、何も見なくても口からきちんとフランス語が出てくるようになるための超実践型授業で、にゃんこ先生と楽しくフランス語を学びましょう。ただ話すだけでなく『どうしてこのシチュエーションで、この言葉を使うのか?』といった、フランス人の行動学・文化も教えます!これまで、何度も参考書を買ってトライしてみたけれどフランス語が出来るようにならなかった方、旅先で言葉が出てこなかった方、ぜひトライしてみてください。

     “ フランス語を話せる自分が好きになる ” そんな授業です。


-授業時間、料金

1時間半/週1回3,000円/×月4レッスン 12,000円
(8月のみ2レッスン、全10レッスンです)
* お月謝のお支払いは、各月の最初の授業時になります。

テキスト、教材費 3,000円
初回のみ。最初の授業でお支払い頂きます。

-期間、定員

2014年8月20日(水)〜10月26日(日)/全10回コース
定員/各クラス6名

*水曜日の【シトロンコース】日曜日の【星男コース】の2クラス、各クラス 6名限定。万が一、各コースの曜日に出席出来ない場合、水曜日と日曜日の授業をそれぞれ振替えて受けられます。(この振替授業にも出られない場合でも授業料は派生してしまいますので、ご了承の上お申し込みください。)

-会場・授業曜日/時間

授業の会場は、交通の便・出席できる曜日に合わせて2ヶ所がチョイスできます。

【シトロンコース】
江東区新大橋、『CITRON PLUSスタジオ』での授業をご希望の方は、毎週水曜日、20:00〜21:30の授業となります。
* 利用可能駅は、都営新宿線『浜町駅』『森下駅』、都営日々谷・浅草線『人形町駅』半蔵門線『水天宮前』、JR総武線『両国駅』。詳しい住所は、お申し込み時にメールにてお知らせします。

【星男コース】
新宿二丁目、『バー星男』での授業をご希望の方は、毎週日曜日、15時〜16時30分の授業となります。
* 都営新宿線『新宿三丁目駅』徒歩3分
 東京都新宿区新宿2丁目6-8 小澤ビル1F
https://www.facebook.com/barhoshio


-授業内容(内容は、授業の進み方で変わる可能性があります。)

No.1-8月20日(水)/24日(日)
  A、B、C-フランス語のアルファベからはじめの一歩
  数字を制するものは仏語を制する-フランス語の数字を身につける

No.2-8月27日(水)/31日(日)
  Bonjour ってなに?-基本挨拶、礼儀語を学ぶ
  パリっていったいどんな街?-パリの基本構造と各カルチエについて

No.3-9月3日(水)/7日(日)
  Bonjour ってなに?-基本挨拶、礼儀語を学ぶ
  カフェで優雅に過ごす−必要フランス語と振る舞い方

No.4-9月10日(水)/14日(日)
  フランスのスーパーってどうなってるの?-スーパーでの実践フランス語
  マルシェで買い物がしたい!-マルシェの作法、実践フランス語

No.5-9月17日(水)/21日(日)
パリの地図を読み解く-パリ地図の見方と必要なフランス語
どうしてこんなことするの?-映画から学ぶフランス人の行動学 
 
No.6-9月24日(水)/28日(日)
パリの交通を制覇する-実践メトロ、バス、タクシー攻略法

No.7-10月1日(水)/5日(日)
パリで自由に買い物がしたい!-試着、支払いetc.実践フランス語
  蚤の市でお買い物−マナーと必要なフランス語

No.8-10月8日(水)/12日(日)
  レストランでご飯を食べる-予約方法、快適な楽しみ方実践フランス語

No.9-10月15日(水)/19日(日)
  TGVで地方旅行がしたい!-チケットの予約方法、駅の調べ方ect

No.10-10月22日(水)/26日(日)
  これまでの授業の総集編、復習、リクエスト授業

-注意点

この授業は、フランス語がまったく初めて、もしくは初めてに近い方のためのものです。過去に教室などへ通われたことがあり、授業中に中級以上の力があると判断した場合、希望者には、さらに上のフランス語が学べるフランス人の先生をご紹介する場合があります。(グループレッスンのため、初級の方のゆっくりした足並みを崩さない配慮によるものです。)


-お申し込み方法

募集期間/2014年7月28日(月)お昼の12:30より受付開始。定員になり次第、締め切り。
citronplus7@gmail.comへメールで下記をお書き添えの上、お申し込みください。(個人情報は、責任を持って管理します。)

氏名 :
メールアドレス :
住所:
連絡がつきやすいお電話番号:
希望コース:
なぜ授業を受けたいか?どんなことを学びたいか?:

* 募集は定員になり次第閉め切らせて頂きますので、ご了承ください。
* 授業についての不安点、細かなご質問はcitronplus7@gmail.com
お送りください。にゃんこ先生が直接お答えします。
* メールの返信は、2〜3日かかることがありますので、ご了承ください。
* 万が一5日経っても返信がない場合は、念のために再送してください。
 
     みなさんのお申し込み、お待ちしています!



posted by 猫沢エミ at 13:44| パリ | アノンス最新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月22日

最新刊『東京下町時間』に寄せて


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ツイッターやFacebookなどでのお知らせが先になってしまいましたが、最新刊『東京下町時間』が、7月10日発売になりました。ブログでのお知らせが遅くなってしまって、ごめんなさい。


猫沢=パリの本、と思われていた方には「あれ?! いきなり下町の本?」という印象を持たれたかもしれないけれど、東京下町についての本を出すというアイディアは、ずっと温めていたものだった。ピエブックスの編集者・長谷川卓美さんと最初に打ち合せをしたのは、この本の巻頭に登場する人形町の老舗喫茶店“喫茶去・快生軒”。赤い革張りの椅子に腰掛けた私は、長谷川さんへ自分が伝えたい下町の魅力について、とうとうと語った。

すでに本を読まれた方にはおわかりかもしれないが、この本は少し“外国人視点”が含まれていると思う。というのも、私が日本文化と東京下町の文化に目覚めたのは、パリへ渡り、生まれて初めて日本人である自分のアイデンティティを意識したから。まるで、日本に憧れていた外国人が、日本家屋に住み、着物で暮らすような愛で方を自分の中に再発見したとき、母国を離れたからこそ見えた、守るべき古き良きものが形になって現れたのではないかと思う。


ここで紹介しているお店のほとんどが、普段、仕事とはまったく関係なく私が通い詰めているお店ばかりで、なぜそのお店を選んだのか?を探ってみれば、そこには時代に流されることのないはっきりした指針がある、という共通点が見てとれる。客と主人が、お金を介してモノや食べ物をやりとりする“店”。しかし、本当にやりとりするのは、モノに宿るエスプリと歴史、空間や時間など目には見えない大切なものだと私は思う。その素晴らしさを、ぜひ皆さんに知って頂けたらという気持ちで、丁寧な取材と執筆を経て、この本は生まれた。

良いお店が載っている、普通の下町ガイドブックとして使って頂けるなら、もちろん嬉しい。けれど、そこにあるエスプリを理解する一段上の粋なお客さんとしてお店を訪ねてくださったなら、私はこの本を書いて本当によかったなと思う。


これまで下町をテーマにした本は、男性向けのものが多かった印象だけれど、今回は女性にも興味を持って頂けるよう、心がけました。どうぞ、東京下町の魅力を、生活の一部に取り入れて頂けたら。そして、お金やモノといった即物的なものを超えたところにある、“人と人のやりとりの煌めき”を感じて頂けたら嬉しいです。


『東京下町時間』-猫沢エミ 
  パイ インターナショナル+PIE BOOKS刊 定価(¥1,600+税)
  ISBN:978-4-7562-4529-8 C0070
 《購入・詳細》
 http://pie.co.jp/search/detail.php?ID=4529




  







posted by 猫沢エミ at 12:24| パリ | アノンス最新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月22日

急告♡ G.W 2つのパーティーにEmi NECOZAWA & Sphinx 出演します!



急告♡G.Wは、2本のイヴェントパーティーに出演します。フルバンドとはまた違ったミニマルな編成は、Sphinxサウンドを違った角度から見れる貴重な機会。どなたさまもお気軽にお越しください♡お待ちしてます。



● Le Cabaret Montparnasse-ル・キャバレー・モンパルナス

今、渋谷界隈でもっとも高感度な人々が集うと話題のThe gusigette by Mojaにて、東京におけるフレンチ・レスポンサーブル梶野彰一くん、今年6月にニューリリースが待たれるフレンチ・ジャズの真骨頂DJ三浦信くんと共にパーティーを開きます。この日のSphinxは、最少編成のG.円山天使 & Vo,Per.猫沢エミにて。ミニマルの極みは、まさにフィルムノワールの世界。一夜限りの幻のキャバレー・モンパルナスで、パリの左岸カルチャーを擬似体験して。(しかも、エントランスフリー♡)

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Le Cabaret Montparnasse
2014.5.2(Fri)21:00~25:00
  Entrance Free!!
Live:Emi NECOZAWA & Sphinx Duo
DJ:Makoto Miura Shoich Kajino

  The gusigette by Moja
 東京都渋谷区1-11-1-B1F
Tél:03-6418-8984
www.mojamojamoja.com



● 中塚武 at “Musical Museum”

ミュージシャン、コンポーザーなど幅広く活躍する中塚武くん主催による「音楽/アート」が融合されたパーティー“Musical Museum”に、この日はSphinxよりG.円山天使 Key.坂和也 Vo,Per.猫沢エミのトリオ編成が登場。ジャズ箱ならではのJZ Bratの高音質環境で、ぜひミニマルの音楽体験を!当日は、4月23日にリリースされる中塚くんソロ10周年ベストアルバム『Swinger Song Writer』リリースパーティーも兼ねています。アートパフォーマンスは、落語家の三遊亭天どん師匠。映像、Hitch×Kakeruのフードケータリング、今をときめくDJ陣など盛りだくさんのパーティーへ!みなさまのお越しをお待ちしています。

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中塚武 at “Musical Museum”
2014.5.4.(Sun)
open 18 :00 start 19 :00
JZ Brat Sound of Tokyo
東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2F
www.jzbrat.com

ticket :¥3,000(予約)¥3,500(当日)
    ¥1,500(大学、高校、専門学校、高校生/要学生証)
    ¥0(小学生以下)*未成年のお客様は保護者同伴が入場条件
    ★『Swinger Song Writer』を受付にてご呈示の方は¥1,000オフ!


   Live :中塚武/Emi NECOZAWA & Sphinx Trio
   落語:三遊亭天どん
   
   《チケットのご予約、さらなる詳細》
   http://www.nakatsukatakeshi.com/?event_live=54-中塚武-at-“musical-museum”



posted by 猫沢エミ at 12:54| パリ | ライブ最新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月22日

ピキへ。ママから4回目の手紙。


PTINTANIA-プランタニア/Emi NECOZAWA & Sphinx ワンマンライブ 
2014年4月11日(金)@渋谷gee-ge
只今絶賛ご予約受付中!どうぞお早めに♡



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ピキ、久しぶり。元気にしていますか?とはいえ、ピキはいつもママのお部屋の祭壇にちょこんと座っているので、姿は見えなくても一緒に暮らしているのと同じなんだけど。天国なんてあるのかどうかわからないし、行ってみたら意外と風呂なし4畳半の狭いお部屋かもしれないから、無理に行くことないよ。ママが死ぬとき一緒に行けばいい。


ところで、このお手紙を書くときは、Vashti Bunyanを聴いています。このアルバムはピキのお葬式でかけたCDなんだけど、普段は聴けないんだよね。涙が出てきちゃうからさ。でも、毎年の命日は泣いてもいいって思ってるからかけるの。たくさん思い出してたくさん泣くと、その後は幸せだけが残ります。ピキが13年と11ヶ月生きてママにくれた数えきれない幸せが、目の前でぴょこぴょこ踊るんだよ。ありがとうね。

弟たちも元気に大きくなってるよ。男の子ってシンプルで可愛いね。だけど、男の子のママになってわかったことは、あなたはやっぱり女の子だったなということ。神経質で気難しいところもあったけど、細やかな愛情表現は女の子ならではだったと思います。ピキ、あなたは本当に可愛かった。


最近のママといえば、あいかわらず自分のことはまだまだダメだなあと思うことが多いけど、がんばっています。ムダに焦って動きが雑になるのは前からだったけど、そうゆういらいらした動きにはいらいらした空気がつきまとってて、周りの人にも伝わっちゃうから、ひとつひとつの所作を丁寧におっとりするように心がけているんだよ。お皿を重ねるとき、ドアを閉めるとき、ほんの少し優しい気持ちになって丁寧にするんだ。そうすると、気持ちが落ち着く。気持ちががちゃがちゃしていないと、すっと集中できてお仕事も不思議とはかどるよね。がちゃがちゃするのは、時間がない!っていう心配からきているのだと思うけど、そんなところで1秒稼いだって意味ないものね。時間は伸び縮みするものなんだなって、ほんと思います。

あとは、何かに没頭するとママはまわりが見えなくなっちゃうじゃない?だけど、それじゃいけないなと思って集中と気遣いの切り替えスイッチのすべりをよくするように、ちょこちょこ油をさしてメンテナンスすることにしました。それは、やっぱりちゃんと寝るだとか運動するだとか、息抜きを上手にしてもっと人生そのものを楽しめるように心に余裕を作ることなんだと思った。ほら、ずっとそうゆう気持ちになれないくらい大変な時期があったじゃない?生きてるとほんと、いろんな時期があるからさ、それは仕方がないと思う。でも、そうゆう時期を抜けたらさ、せっかく大変な時期をくぐり抜けてきたんだから、その経験を身体に落とし込んで、もっと楽しんでいいんだと最近やっと思えるようになってきました。


ピキ。今も会いたいし、あなたと同じくらいの歳でまだ元気に生きている猫を見ると、どうしてもっと長生きさせてやれなかったのかと涙が出ます。だけど、ゴミ箱からあなたを救い出して一緒に生きた年月を思うと、そのヴァリエーションの豊かさにママはくらっとします。最後にはEUのパスポートを取って、あなたはフランス猫のパリニャンヌとして天国へ行っちゃったわけだし。

ピキ
ピキ


愛してるよ。



●ピキとの日々を綴った『猫と生きる。』(辰巳出版)
 ぜひ読んでみてください。







posted by 猫沢エミ at 13:27| パリ | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月16日

Bathガス爆発


PTINTANIA-プランタニア/Emi NECOZAWA & Sphinx ワンマンライブ 
2014年4月11日(金)@渋谷gee-ge
只今絶賛ご予約受付中!どうぞお早めに♡



今朝はマンションの消防点検中にエラーが生じて、全館のガスが午前中いっぱい止まるという珍事があった。ガスと言えば思い出さないわけにはいかない憂鬱な記憶が多々ある。Mixi日記時代から私のブログをご覧になっている方や、近しい友達には再読感の強い話で恐縮なのだけど、自分の記憶メモとしてもここに記しておきたい。


私が生まれた昭和40年代、我が家にはお風呂がなかった。貧しくて…という経済的な理由からではなく、ただ単に「作り忘れたのだ。」と後に父は語っている。忘れる?風呂を?なぜ?!と思われるかもしれないが、あの家の人ならば風呂を作り忘れるくらい朝飯前だということは、「毛考」をお読み頂ければあっという間にご理解できよう。実家は1階で商売を営んでおり、店鋪併用住宅という店鋪が最優先に作られた実におかしな間取りをしていた。当時、まだうちの田舎では珍しかった鉄筋コンクリート3階建て。3階にはBBQもできそうな広いベランダが作られた。そのベランダの一角に、ある日突然風呂場が出来た。祖父母の寝室の横に設えられた先祖代々の写真がずらりと並ぶ仏間に、トイレと風呂場が無理矢理とってつけたように作られてしまった結果、巨大な仏壇がそびえる仏間が自動的に脱衣室とならざるを得ず、鈴(仏壇にあるちーんという鐘)を巨大にした磬子(けいす)は脱衣籠に成り果てた。マリー・アントワネットはオーストリアからフランスへ腰入りする際、糸一本すらオーストリアのものをまとってはいけないと、国境近くの川縁でパンツまではぎ取られて素っ裸にされた逸話が有名だけれども、「アントワネットもこんな気持ちだったのかも…」と、毎晩仏さまの前で一糸まとわぬ姿になりながら、子供心に一方的な親近感を覚えたのは言うまでもない。

ところで風呂を作り忘れるような家人たちが作る風呂とは一体どんなものだったのか?一瞥すると風呂の入り口は子供の勉強部屋の木製ドアとなんらかわりがない。木目合板のドアを開けるといきなりそこは風呂。しかも正面には巨大な透明ガラスがはめ込まれた窓になっていて、外から丸見え。(補足:風呂場が作られた当時は、まわりに高い建物がなく人が覗き見る心配はなかった。しかし数年後にはどんどんビルが建てられ、特に女性陣はエデンの園にて呪われた蛇が地を這うように入浴することを強いられた)その窓の手前に、当時とはしてはこれまた珍しかった西洋風の底が浅くて長い寝そべり型のバスタブが導入されていた。風呂はどんなにお湯をためても浅く、肩までお湯に浸かるには寝そべった形で定員一名。おかあさんと一緒に入れば2人とも半身浴に甘んじることとなる。まったくくつろげない、まったく温まれない。喜んだのはこのバスタブの導入を決定し、珍妙な風呂場を独断で設計した父だけである。彼は映画『ゴッドファーザー』に心酔し、ドン・コルレオーネを誰よりも崇拝するエアーマフィアだった。「俺は朝日を眺めながらこのN.Y Cityで(実際は福島です)酒の風呂に浅く溺れるのさ…」かくして何もかもがとんちんかんな猫沢家の風呂場は生まれた。しかし本当の悲劇はこれからなのであった。


ある週末の晴れた午後のこと。私は仏間兼脱衣室横の祖父母のベッドに寝転がり、漫画を読んでいた。そこへ、数日前から居候をはじめた叔父のHがいそいそとやってきてこう告げた。「今夜はボクがお風呂を沸かすよ。」叔父は奥さんが出産のために実家へ戻ってしまったため、ご飯に難儀し、しばらく兄の家である我が家に住み暮らすこととなったのだ。彼は市内の公立高校で物理を教える傍ら、民間の物理学者として数々の賞を受賞している一族には大変貴重な数少ない真人間だった。風呂場の手間にある巨大な旧式のガス給湯器前で、なにやら首をかしげる叔父を横目に漫画を読み続ける私。ダイヤルをカチっカチっとひねる音と共に、叔父の「あれー?おかしいな。」という台詞が聞こえた。「これ、壊れて…」という叔父の第二声が終わるか終わるや否や、どっかああああああああん!!……ものすごい爆風が押し寄せ、かろうじてベッドの高い背もたれに守られた私のちいさな身体は無傷で済んだ。あたりには白い煙がもうもうと立ち上り、なにひとつはっきりと形をとらえることができない。その煙の中から、「ごほっ…ごほ…」という弱々しい咳払いと共に、コントでよく見る“化学実験室で大爆発。博士、髪の毛逆立つ。”を体現した叔父がぼろぼろの衣服と共によろけながら現れた。私は彼に向って大丈夫?!…と心の中では叫んでいたのだと思う。しかし口から出た第一声は「叔父さん…似合う!」であった。そう、彼は専門が物理ではあったが化学にも精通していて、白衣とフラスコで実験室にいる姿は馴染みのあるものだったのだ。そこへ人生最大のオチであるリアルガス爆発が舞い降りた。なんておいしいんだろう。全部持っていきやがった叔父さん…はっ ?! そんな場合か。そうこうしているうちに下の階からどやどやと大人が押し掛けてきて、叔父は救急車に乗せられ病院へ搬送されてしまった。ここまで読んだ貴方は、子供らしからぬ私の心持ちを不快に思われるかもしれない。だがしかし、それにはちゃんとした理由がある。叔父の爆発は猫沢家のガス爆発史上たしかに最大級のものではあったが(父自慢の全面ガラス窓も吹き飛び、風呂場および周辺は多大な被害をこうむった)それまでにも数年という短いサイクルで、すでに二度爆発を起こしていたため、ある意味爆発慣れしていただけだった。被害者は母と母に背負われた幼少期の弟。このときも病院送りと相成った。


さすがに叔父の爆発時には、それまで放置していた(するなよ…)爆発原因の究明が行われた。普段、風呂を沸かす係は祖父だったので、祖父の風呂沸かしの方法を詳しく問いただしてみたところ、彼の方法ではガスタンクの中に微量ながらガス漏れが生じて、それがある日溜まりに溜まったところでどっかん行くことが判明した。ちなみに恐ろしいことに、ほぼ365日風呂を沸かしてる祖父は今まで一度もガス爆発に遭ったことがない。彼が爆発原因を毎日作りながら、ある日ふと「私沸かすね♡」と名乗り出た家族の別の者が犠牲者となるのだ。その恐るべき災難回避運の強さ!奇跡的な確立の上に祖父のガス爆発未経験は成り立っていた。

「家の風呂というものは爆発するもの。」という概念が世間では通用しない間違ったものだと判ったのは、上京してこの話を大学の友達へ話したときだったと思う。「(風呂で清潔になるという)リスクなくして快感は得られないのが人生かと思っていたよ。」そう笑顔で話す私を、友達は遠い目をして「...これからはなるべく爆発しない人生を送ろうね。」との優しい言葉をくれた。


今朝方の緊急ガス停止、それにともなうセンサーのアラーム音に動悸が激しくなり、半パジャマのまま1Fの管理室へ駆け下りた私の行動の裏には、こうしたトラウマが少なからずあったのかもしれない。しかし、どんなに気をつけていても人生、爆発するときは爆発する。それはガスに限らず、芸術も寝起きの髪の毛も、才能もしかり。


エクスプロージョン・イン・マイ・ハート。さ、仕事という名の爆発現場に戻ります。







posted by 猫沢エミ at 15:54| パリ | 猫沢家の人々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする